皆さん、こんにちは!
準劇団員の村山です。
PIC公演の幕が下りて、早1週間。
『屋根裏の仏さま』の稽古が着々と進んでおります✨
今回は作品紹介をしたいと思います✏
原作『屋根裏の仏さま』(The BUDDHA in the Attic)は2011年にアメリカで出版されました。
この作品は、1900年初頭、先に渡米した日本人男性と、手紙と写真の交換をして嫁いでいった日本人女性たち【写真花嫁】の物語です。
主語は「わたしたち」で詠唱のような文体が特徴的で、アメリカをはじめ、フランス・ドイツで文学賞を受賞しました。
さて、どのようにしてこの作品は生まれたのでしょう??
新潮社『屋根裏の仏さま』の訳者あとがきを参考にまとめてみました💡
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日系三世の作者ジュリー・オオツカは、1962年にカリフォルニア州で誕生しました。
2002年に処女作『天皇が神だったころ』を発表。彼女の祖父が戦争中に家族に宛てた手紙の束から着想を得て書かれた【日系人の強制収容】についての物語で、高く評価されました。
そして多くの日系人から「よくぞ書いてくれた」と声を掛けられ、そこで【写真花嫁】の話を聞かされます。彼女は会ったこともない男と結婚するために海を渡った娘たちの物語に強い興味を覚え、調査を始めました。
しかし心に残るエピソードが多すぎて、書きたいことのごく一部も盛り込めないことに気づきます。そんなときに「船のわたしたちは、ほとんどが処女だった」というメモから「わたしたち」という語りを思いつきました。
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こうして生まれた『屋根裏の仏さま』。
作者はインタビューで「正史にはまず登場しない女たちの人生を拾い上げて記録したかった」と語ります。
訳者 小竹由美子氏は「様々な事実の断片をそのまま提示して、あの時代の女たちの全体像を描き出す。汚いものから目をそらさない率直さも、この作品を力強いものにしている一要素だと思う。」と。
そんな骨太な作品に、松本祐子氏と東演の女優11人で挑みます。
幕が上がるまで1ヶ月。
この文章を書きながら、改めて、この素晴らしい作品に負けぬよう頑張ろうと思いました。
村山かおり
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