<< October 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 西大寺の犀。 | main | サイレント・スタンディング。 >>

2015〜2018ベリャコーヴィッチ『検察官』大千秋楽

 

 

 

2018検察官ツアー岡山城前にて

 

 

 

 

 2018年3月15日、岡山市立市民文化ホールで幕を開けた2018『検察官』中国ブロックツアーは、4月15日、岡山市立西大寺公民館で千秋楽の幕を降ろしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それはまた、2015年2月21日に新宿南口紀伊國屋サザンシアターで産声を上げたベリャコーヴィッチ『検察官』の大千秋楽でもありました。

 

 

 

 

2018検察官ツアー千秋楽の朝

 

 

 

 

 『ロミオとジュリエット』では半円形に数珠つなぎになった鉄のアーチ、『どん底』では舞台一杯4列に並んだ鉄の二段ベッド、『ハムレット』では巨大な王宮を彷彿とさせる宙に浮く円柱群のオブジェ、どれもモノとしては単純でありながら強烈なインパクトを持ち芝居の中で様々なイメージを産み出す舞台装置でした。

 

 

 

 

 そして『検察官』では、単体としてこれまでにない大きさを誇る《階段の要塞》が私たちを4年間支えてくれました。

 

 

 

 

 新宿西口の貸稽古場、芸能花伝舎で初めて対面した時の高揚感は今でもリアルに胸に蘇ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 4月15日朝、西大寺公民館の開門と同時に小屋入りしたメンバーは、それぞれ準備を始めます。

 

 

 

 

 前日の夜公演で汗になり、階段下に干してあった衣装たちを取り込み、アイロンがけなどしてセットアップするもの、階段の手すりに飾られた花束を回収し、損傷などのチェックをしたうえで舞台袖の小道具置き場に並べなおすもの、そして開演に備えて身体のウォーミングアップをするもの、いつもの景色でありながら、いつもとちょっと違う、これが最後なんだという空気を噛み締めながらロビーに出てみました。

 

 

 

 

2018検察官ツアー係分担

 

 

 

 

 私たちは大抵の作品はまず東京で発表し、それから全国に広がる鑑賞会組織に選んでいただいた後、巡演ツアーに臨みます。

 

 

 

 

 そして鑑賞会活動は会員相互の理解と協力の基、劇団と協働して【公演=例会】を作り、地域の文化を高めようという運動です。2016年の九州ブロック、2017年の静岡、中部北陸ブロック、そして今年は中国ブロックを廻り、沢山の会員のみなさんと一緒に『検察官』をつくる喜びを味わいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 楽屋の廊下には劇団のツアーメンバーに向けた掲示板がありますが、ロビーには写真のような、例会を運営する上での係分担表が張り出されています。この掲示を見るといつもほっこりした気分にさせてもらえます。私たちが勝手に公演を打っているわけではないのだ、一緒に例会をつくっているのだと実感できるからです。

 

 

 

 

 ロビーで準備を始められていた事務局長の近藤さんに挨拶をしてから再び会場に戻り、客席フロアの少し広いスペースでルーチンワークのアップを始めました。

 

 

 

 

2018検察官ツアー夢のホール

 

 

 

 

 このステージが『検察官』最後の1回になるのだ、泣いても笑っても《もう1回》は無いのだと意識しないでできるわけがありません。それでも、その特別な意識が思わぬ失敗を産み出してしまうという知識や経験も、持ち合わせるところまではきました。ウォーミングアップのメニューも声出しの場所も、直前の食事の時間も、歯磨きの長さも、最後の舞台上でのチェックも、もう一歩の課題探しも、メイクアップの手順も、すべていつもと同じにすることで平常心をキープさせようと試みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新鮮に新鮮に、すべてが初めて起きていること…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 舞台監督のゴーサインが聞こえると、指揮者のジョーラが舞台に飛び出していく。

 

 

 

 

 お客さんの笑い声がこぼれだす。

 

 

 

 

 ベリャさんがその膨大なコレクションから選び出した音楽が劇場に流れ出す。

 

 

 

 

 役者の歓声が歌声が響き渡る。

 

 

 

 

 「グラダナチャーリー アチェラドヌィ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 能登アントン市長の心持ちで流れていく精神と、焦るな熱くなるなと自制する精神が同時進行している瞬間もありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 娘と未来の元帥閣下との結婚が決まり、町の人々と喜び歌うシーン、階段の隅々まで広がった役人や妻たちが大きく花束を振る姿に両手上げて応えて叫んだ時、劇場全体が唸りを上げているような響きを感じました。

 

 

 

 

 ベリャコーヴィッチが厳しく求めたシーン、歓喜のシーンはこれだ、この轟を作りたかったのだと涙が溢れた瞬間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スタッフも役者もそして会員のみなさんも、この千秋楽をいい舞台にしたい、そんな【想い】が劇場に充満しているように感じました。何度も感じました。

 

 

 

 

 その想いがまさに結実した『検察官』になったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 舞台演劇はステージを重ねて重ねて創り続けていくものです。

 

 

 

 

 『検察官』は134回の公演を行いました。きわめて荒っぽい計算ですが、6万人以上の方々が関わっています。その想いと力の結集があの舞台だったのです。

 

 

 

 

2018検察官ツアー交流会

 

 

 

 

 その日の夜、西大寺市民劇場の事務局で行われた交流会には、2016年九州ツアー初日を開けた北九州市民劇場の民谷事務局長と、中国ブロック代表として福山市民劇場の國友事務局長も駆けつけてくださいました。

 

 

 

 

 集合写真の雰囲気の通り、楽しく温かく心の触れ合えるひとときを過ごさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018検察官ツアーベリャさん

 

 

 

 

 たった一つ……そこに彼がいなかったことが、悔しくて残念でなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、きっとそんな事を言えばこんな風に笑い飛ばされるのでしょうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 4年間『検察官』を応援し共に育ててくださったすべてのみなさまに、心からの感謝を申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アントン市長

 

 

 

 

能登剛(のとたけし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劇団東演 * 2018「検察館」旅日誌 * 05:16 * - * -

スポンサーサイト

スポンサードリンク * - * 05:16 * - * -
このページの先頭へ