公演を終えて。アリス役の古田美奈子から | 17:00 |
あまりにも突然の別れ。どう言葉を紡いでよいか、この現実を受け入れられない。
「歌え!悲しみの深き淵より」公演を終えた2週間後、4月3日の総会で療養のため実家へ戻ると報告。
12日に東京を離れ21日に入院、それから5日後に旅立った、珠真子さん、笹山さん、トッポさん、鵜飼さん、春子ちゃんたちのいる世界へ。
私たちの心の中を整理するのにはもう少し時間が必要です、美奈子ちゃん…
先日発行したぱらーた通信に、古田美奈子「歌え!悲しみの深き淵より」を終えて、という記事を掲載しています。
美奈子ちゃんを悼み、全文をここに載せます。
「ザ・家族」」
「歌え!悲しみの深き淵より」をご観劇くださいました皆さま、支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。劇場で観ていただけたこと、とても嬉しく思います。
誰もが自身の家族や人生を重ね合わせたり、振り返らざるを得ないような作品でした。
稽古初日から、それぞれの思いが心に去来していたように思います。いや、それは台本を読んだ時からですね、きっと。みんなのこころにある温かさや苦さが、稽古をしていく上で大切なベースになったと思います。
東演のブログでも「家族のこと」をテーマにみなさんにお伝えしました。普段私たち劇団員はなかなかそれぞれの家族や兄弟、姉妹のことをしりうる機会はないのですが、互いがどんな環境で育ってきたのか、どんな思いを家族に抱いているのか、知ったり話し合ったりする機会にもなりました。
これは一つの舞台を創る上でとても大切なことです。「そんな風に感じているんだな」とか「そう思っていたんだな」とか話してみないと分からないことはいっぱいあります。互いのことを理解し合い、立場の違いを認めた上で協力し合わなければ、良い舞台を創ることは決して出来ません。
せっかく、人間同士が出会って良い舞台を創ろうとして、ぶつかったり、すれ違ったり、分かち合ったりしているのですから。人間関係の煩わしさ。面倒なこと、共に苦労を乗り越えること、同じ時を過ごして喜びを共有し、それが何倍もの大きな力となること…そんな全てが、先日の「歌え!悲しみの深き淵より」には詰まっています。
「家族」のような一面があるからかもしれません、劇団は。
ただ、一人一人が俳優として生き生きと輝いて、光も影も内包する「役者」であることが「家族」の歩みとなるのだと思います。
ご観劇、ありがとうございました!私たちの次なる歩みに、ぜひご期待ください。
古田美奈子
1月28日に前代表の珠真子さんが逝き、その3ヶ月後には美奈子ちゃんも。
辛い、悲しい。
美奈子ちゃんが私たちに託した「次なる歩み」。珠真子さんやトッポさんたちといっしょに見守っていてね。
劇団員一同